県立自然公園 断魚渓(島根県中部の風景) Fukutomi design office  元に戻る TOP画面
断魚渓(だんぎょけい)は、県中部を流れる江の川支流の、濁川(にごりがわ)中流域にあります。侵食されてむき出しになった流紋岩の崖が、4Kmにも連なる渓谷です。川は長い岩肌からなる場所を連続して流れ、段差や亀裂を流れる場所では、魚が簡単に遡上(そじょう)できない水流があり、この名で呼ばれています。春は新緑、夏は清涼な緑と、美しい景観を見せますが、特に秋は木々の紅葉が美しい、島根県の観光名所の一つです。 住所:邑智郡(おおちぐん)邑南町(おおなんちょう)井原(いばら)
     江の川の支流、濁川中流域に位置
地図地図:Mapion地図Mapion地図, 国土地理院地図地理院地図
島根の名水百選:第62番[ ふるさとの清水
断魚渓観音滝県立自然公園内に断魚渓と観音滝がありますが、
  断魚渓と観音滝は離れた場所にあります。

関連自然公園関連した自然公園: 観音滝千丈渓竜頭八重滝奥匹見峡
  

 #F019,−1 撮影F:2004/04/17 [拡大 拡大  #F019−2,−4 撮影F:2004/04/17

 #F019−5 撮影F7:2005/09/10  #F019−6 撮影F7:2005/09/10
 #F019−7 撮影F7:2005/09/10 拡大  #F019−8 撮影F7:2005/09/10 拡大
 #F019−12,−13 撮影F7:2005/09/10  #F019−34,−35 撮影F7:2005/09/10
※下の写真>権現山:標高592m

 #F019−9,−15 撮影C:2005/11/07 拡大  #F019−10,16 撮影C:2005/11/07
 #F019−17 撮影C:2005/11/07 神楽渕  #F019−18 撮影C:2005/11/07 祝川(川幅約1m)
 #F019−19 撮影C:2005/11/07 千畳敷(上流方向)  #F019−20 撮影C:2005/11/07 千畳敷(下流方向)
 #F019−21 撮影C:2005/11/07  #F019−22 撮影C:2005/11/07
 #F019−23 撮影C:2005/11/07 連理ヶ滝  #F019−24 撮影C:2005/11/07
 #F019−37,−39,−41 撮影C:2006/11/13  #F019−38,−40,−42 撮影C:2006/11/13
 #F019−43,−45 撮影C:2006/11/13  #F019−44,−46 撮影C:2006/11/13
 #F019−30 撮影DSC−P8:2008/11/11 12:49  #F019−31 撮影DSC−P8:2008/11/11
 深篠川(ふかしのがわ)キャンプ場前から断魚トンネルを撮影。撮影者によれば、本格的紅葉はまだのようです。
■深篠川キャンプ場:断魚渓近くにある、深篠川下流にあるキャンプ場収容500人と、大きなキャンプ場。※断魚開発組合が管理
 深篠川キャンプ場は写真右上を登った所。右建物はトイレ

 #F019−25,−27 撮影C:2006/02/05 15:37  #F019−26,−28 撮影C:2005/11/07


断魚渓補足説明
■断魚渓観音滝県立自然公園

■断魚渓(だんぎょけい):断魚渓は江の川(ごうのかわ)支流の濁川(にごりがわ)が流れる山間にあり、侵食されてむき出しになった流紋岩の崖が、4Kmにも連なる渓谷です。濁川には魚切りと呼ばれる大きな段差が数箇所あることから、この名が付いています。春はフジの花、秋はカエデなどの木々の紅葉が美しい、島根県の観光名所の一つです。
・特に断魚渓らしさが見られる500mの渓谷は、観光的に遊歩道などが整備され、主だった場所には名前が付けられていています。
 @神楽渕(かぐらふち):神楽の舞台を思わせる岩棚。
 A千畳敷(せんじょうじき):畳千枚敷き詰めることが出来る広さと
   誇張したもので、川が川底の岩を削った平たくて広い岩場。
 B嫁ヶ渕(よめがふち)
 C箕の腰(みのこし) 箕(み)と呼ばれる昔の農器具の形から付け
 られていると思いますが、腰の部分の解釈が今ひとつ分かりません。
 D連理ヶ滝(れんりがだき) 段差3段 総落差12m
 E観音滝(かんのんだき)  段差3段 高低差50m
                  通常水量の3段目の滝の落差35m
  少し離れた場所>江津市桜江町鹿賀 断魚渓観音滝自然公園内
  水量が増えた場合は3段の滝は連なり、落差50mの大滝となる。
 F祝川:節理に沿って侵食されて出来た、幅約1mの水路。
  ※岩樋川(いわひがわ)元々はこちらの漢字の様です。
江の川(ごうのかわ):広島県の阿佐山を源流に、可愛川(えのかわ)と呼ばれる川の名で流れ、島根県で江の川の名に変わり、江津市を通って日本海に注いでいます。地元では江川(ごうがわ)と呼んでいます。アユ釣りのできる大きな川として全国的に知られています。
・別名中国太郎と呼ばれる、中国地方最大の一級河川,全長:194Km,流域面積3870Ku,支流355本以上。
濁川(にごりがわ):江の川(ごうのかわ)の支流で、因原(いんばら)近くで合流しています。
流紋岩(りゅうもんがん)=石英粗面岩(せきえいそめんがん):
マグマが地上または地表近くで固まった火山岩の一種で、70%前後の石英(二酸化珪素:SiO2)を主成分に、カリ長石,斜長石,雲母の成分が混じっています(花崗岩に近い成分)。雲母や角セン石の班晶が多いと灰色から黒っぽくなるそうですが、一般には石英や長石の成分が白く、全体に白っぽく見えます。特徴的なのは表面にシワの様な流れる模様があることで、SiO2成分の多い粘りけのある溶岩が、ゆっくりと流れ出て冷え固まる過程で出来る様です。この模様から流紋岩と呼ばれています。しかし流れ模様のないものもあるそうで、区別なく石英粗面岩というそうです。
 
断魚渓:邑智郡邑南町井原

E観音滝
紅葉のメカニズム
(東京堂出版,廣川書店が出版する植物辞典,用語辞典を参考。)
 植物の葉には光合成をするために光エネルギーを吸収する葉緑体と呼ばれるものがあります。葉緑体のほとんど98%が無色な水分やタンパク質で、残り2%がクロロフィルと少量のカロテノイドと呼ばれる色素で構成されています。葉の色はこのクロロフィルカロテノイドと後で話すアントシアニンという色素の量によって変わります。

クロロフィル:太陽の光を受けると緑色の波長の光を反射し、人には緑色に見えます。青と赤い光は吸収して光合成の化学エネルギーに変えます。この色素は温かい気温で強い光を受けると沢山作られます。寿命は短じかく光合成のエネルギー変換過程でしだいに壊れていきます。しかし春,夏の季節では作られる量が多く、なくなってしまうことはありません。
カロテノイド:太陽の光を受けると橙色から黄色の波長の光を反射して、人には橙色から黄色に見えます。青い光を吸収して光合成の化学エネルギーに変えます。寿命は長く、光合成の過程では壊れません。イチョウの葉に多く含まれ、紅葉すると黄色くなります。
アントシアニン:太陽の光を受けると赤色の波長の光を反射し、人には赤く見えます。アントシアニンは糖濃度の高い状態で光合成が行われると、糖分とタンパク質が反応して作り出されます。これは一般に知られるポリフェノールの一種で、赤から青紫の色をしています。

 春から夏の間はアントシアニンは作られませんからクロロフィルとカロテノイドの色になりますが、クロロフィルの量が多く全体に緑色に見えます。
 秋になると気温が下がり太陽の光も弱くなり、クロロフィルが作られる量より壊れて行く量が増え寿命の長いカロテノイドの黄色い色素が目立ってきます。
 さらに気温が下がると樹木は枝と葉の間に栄養分や水分の行き来を遮断するコルク質の壁を作り、葉を落とす作業に移ります。この壁によって光合成で作られた糖分が葉に蓄積してアントシアニンが増え、カロテノイドが赤味をおびます。この時期の葉の色はクロロフィルが少ないのでカロテノイドとアントシアニンの橙色から赤い色になります。糖分を多く作り出すカエデはアントシアニンが多く濃い橙色から赤色になります。
光合成(こうごうせい):大部分の植物は自ら栄養分を作り出す光合成と呼ばれる機能を備えています。葉緑体に光エネルギーを受け、化学エネルギーに変換して無機物な水と二酸化炭素を、有機物な炭水化物と酸素に作り変えています。

クロロフィルa,b(葉緑素):
吸収する光の波長 380〜ピーク420〜450nm(青紫の波長)と
650〜ピーク660〜700nm(赤色波長)の青と赤色を吸収します。
aとbは3:1の割合で含まれ、aは青緑bは黄緑に見えます。
注:植物は紫外線は細胞を傷つけるので吸収しない。赤外線は波長が長く光合成のエネルギーとして利用できないため吸収しない。可視光範囲の赤と青色を主に吸収する。クロロフィルが緑色を吸収できないのは四角い構造で光を共鳴させているため赤と青の間の緑が抜ける。
カロテノイド(カロチノイド):
 カロテン(炭化水素カロテノイド) 橙色
 キサントフィル(酸素を含むカロテノイド) 黄色
クロロフィルが吸収できない光の領域をカバーするなど、光合成で
補助的な役割をはたしているそうです。
アントシアニン
色は酸性の度合いにより赤から青紫に変わるそうで、植物によって酸性濃度が違うそうです。
 酸性:赤色
 弱酸性:青紫色

右の文章ではしかたなくアントシアニンが作られている印象を受けますが、実際には理由がある様です。ポリフェノールの働き,菌類や微生物が落ち葉を分解する働き,栄養分として再度吸収するサイクルへと繋がっています。(何となく植物はスゴイです。)
カエデ
葉の形が水掻きのある蛙の手に似ているとして「蛙手:カエルデ」と呼ばれいたものが、カエデとなったそうです。
カエデやモミジを英語でメープルといい、カナダのメープルシロップは有名です。葉で作られる糖分が多いことと、葉が赤くなることが左の説明でうなずけます。

◆注意していること
 1.個人の住宅が風景に写った場合、写真全体の0.7%以下としています。(スーパー,店,旅館,民宿,公共施設などは除く)
 2.写真が規制されている名所の場合は、撮影及び掲載可能か確認をして掲載しています。
撮影:又は撮影F:FUJIFILM FinePix−F410, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3

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