#F036−7,FT007 出雲日御碕灯台 [拡大1][拡大2] | #FT005,006 出雲日御碕灯台 | ||||
撮影F7:2005/09/08 出雲市大社町日御碕 出雲日御碕灯台 | 撮影F7:2005/09/08 出雲日御碕燈台入り口 | ||||
出雲日御碕灯台は外壁に県内で切り出され整形された凝灰質砂岩、内壁にレンガをそれぞれ積み上げて造られた二重殻構造の灯台です。地震に強いということから、この構造にしたといわれています。外側が白いのは外壁の石が白いのではなく、白く塗装されているからです。この塗装、普通の塗料でなく自然環境の影響を受けにくい特殊塗料のようです。建てられたのは今から100年以上前の明治36年だそうです。 ■正式名称>出雲日御碕灯台(いずも.ひのみさき.とうだい):和歌山県にあります紀伊日ノ御埼灯台(きい.ひのみさき.とうだい)と区別するために出雲を前に付けるそうです。碕の字が違うようで、出雲は石偏(へん),紀伊は土偏(へん)の埼の字を使うそうです。また現在古い漢字の「燈台」でなく、「灯台」の漢字を正式名称に使っているそうです。 2005.09.26第八管区海上保安本部に確認 2005.09.29外壁の材質訂正。島根県八束郡森山産 凝灰質砂岩。 2005.11.30住所修正 旧住所: |
●灯台見学寄付券(大人150円)に記載されていた灯台の説明 位置:出雲市(いずもし)大社町(たいしゃちょう)日御碕(ひのみさき) ○北緯35度26分02秒,東経132度37分45秒(世界測地系) 正確には 26分0.15秒 37分45.2秒 ×北緯35度25分50秒,東経132度37分54秒(日本測地系) 高さ: ・地上から灯火まで39.3m,地上から灯台天辺まで43.65m ・岩場の高さが海水面から24m ・海水面から灯火まで63.3m,海水面から灯台天辺まで67.65m 光の強さ:480Kcd(実効光度) 普通の100W電球127cd 光が届く距離:39Km(21.0海里) 光り方:20秒間に白2閃光(せんこう)と赤1閃光の複合群閃白赤互光 光り方は近くの灯台とでは全然違います。船舶に明確に灯台を識別してもらうために変えてあるそうです。 初点灯:明治36年4月1日 灯台表番号:0821,世界識別番号F7334 |
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#FT014,015,016 撮影EOS:2008/04/28 | #FT017 撮影EOS:2008/04/28 | ||||
#FT019,020,021,022,037 撮影F7:2008/04/28 | #FT023,024,025,026,038 撮影F7:2008/04/28 | ||||
#FT012 撮影F7:2007/01/21 17:40 | #FT013 撮影F7:2007/01/21 17:42 | ||||
#FT008 資料展示館 第五等フレネルレンズ | #FT009 資料展示館 電球交換装置(A−3白熱電球用) | ||||
撮影F7:2005/09/08 日御碕 | 撮影F7:2005/09/08 日御碕 | ||||
●机の上の白いカードには以下の説明書きがありました。 フレネルレンズには第1等〜第6等,等外という様に、焦点距離の違いでランク分けされているそうです。出雲日御碕灯台には一番焦点距離の長い第1等レンズ(フランス製,高さ259cm)が使われているそうです。フレネルレンズは昔職人の技によって作られたもので現在では作れる人がいないそうです。よって地震などで破損した場合は、新しい技術で作られた別のレンズに丸ごと交換する必要があるそうです。展示品は神戸の震災で壊れたものを譲り受け、修復したものだそうです。 ■等別焦点距離:第1等 焦点距離92cm,第6等 焦点距離15cm ■フレネルレンズ:凸レンズとプリズムを組み合わせたレンズで、集光力を上げることはもちろん、軽量化する目的でフランスで考えられたレンズだそうです。日御碕灯台のレンズもこの軽量化されたレンズですが、それでも 3t あります。灯台の灯火はグルグル回っています。中の電球が回っているのではなく、レンズが回っています。重いレンズを効率良く耐久性をもたせた形で回さなければいけませんからレンズ全体が水銀で満たされた水槽に浮いているのだそうです。 |
●机の上の白い紙には以下の説明書きがありました。 「手を触れないで下さい。」シールが3枚も張られていましたから、大切のものと解釈しました。 展示品は平成9年12月までここで利用されていたものだそうです。型式はA−3白熱電球(100V,1KW)とありました。Aが電球に封入されたアルゴンガスを表し、3が電力などの大きさを表しているかもしれません。資料を調べたところA−1〜A−7まであり、BとかHの付く電球もありました。現在は電球の種類が違うようで、メタルハライド電球(100V,250W)という種類になり、交換装置もそれ用に変わったそうです。 構造はリミットスイッチが見えましたからギヤモータを回してカムを動かし、スイッチが働くと定位置で止める様なものと思います。フィラメントが切れたかどうかの判断はシャント抵抗の両端に発生する電圧で、フィラメントに電流が流れているか検出しているみたいです。 現在自動化されているのはランプ交換だけではないようです。観光案内の人はいますが、実際に灯台の仕事をしている人はいません。全てが自動化され、都市部にある施設から遠隔制御されているようです。 ■アルゴンガス白熱電球:フィラメントが高熱になった過程で、材質であるタングステンの蒸発を抑えるために、ガラス内に不活性なアルゴンガスを封入した白熱電球。 ■メタルハライド電球:高輝度放電灯と呼ばれる水銀灯や高圧ナトリウムランプの仲間で、演色性に優れ消費電力が小さく長寿命な電球。 (普通の白熱電球は70%が赤外線放射で熱に変わり、可視光になるのは10%程度なので非常に効率が悪い。) |
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#FT027 撮影F7:2008/04/28 資料展示館 | #FT028 撮影F7:2008/04/28 資料展示館 | ||||
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#FT010 記念スタンプ | #FT011 出雲日御碕灯台見学記念寄付券 | ||||
#FT029,031,033 撮影:UX7 上:駐車場 動画 | #FT030,32,34 撮影:UX7 |
#FT035−1,−3 撮影:EOS | #FT035−2,−4 撮影:EOS |
経島は、灯台から500m西に位置する海岸近くの島で、大きさは約200uあります。柱状節理の石英粗面岩の岩肌で、草木は生えていません。 | この島は西日本のウミネコの繁殖地として広く知られています。 |
#FT001,003 出雲大社町 日御碕 | #FT002,004 出雲大社町 日御碕 |
9月7日台風が山陰地方を通過したことを知り、短い夏休みをとることにしました。7日22時30分出発。横浜町田ICから高速に入り米子ICで降りて山陰道に入り、宍道で降りて大社に向かいました。大社から海岸線が見渡せる国道29号を走り、途中1回休憩して日御碕灯台に行きました。休憩した展望台から撮影した写真が上の写真です。観光シーズンではないようで、うねうねとした道を景色を見ながら30Km/h以下で走り、一度も追い越されることはありませんでした。着いたのは8日10時少し前です。それにしても眠い一日が始まることになりました。 | 上の写真の陸地の左上が島根半島の最西端になると思います。追石鼻と呼ばれる岬で、この岬から北北東方向に3Km行くと日御碕灯台があります。途中大型車とすれ違うのが難しい隧道(ずいどう)があったり、日御碕神社に行く道と分かれていますので、行かれる方は注意して下さい。とにかく左の海岸沿いを走れば、そのまま灯台駐車場に行けます。駐車場に着くと右向かいに灯台が見えます。駐車場から灯台まで直線では行けません。向かって左の階段を下りて土産物を売るお店の中道を通って、右に折れて灯台に行くことができます。この戦略には嵌(はま)るまいと思いましたが、この日は暑かったことから帰りに宇治金時のかき氷を食べました。しゃっきり目が覚め、この後出雲ドームに向かいました。>> |
■出雲日御碕灯台の高さは日本一?、東洋一? 日本には世界一の高さを誇る鉄塔灯台横浜マリンタワーがありますから、単純に日本一とは書けません。前文に石造りを入れないと誤りになります。では石造りで東洋一の高さは正しいのでしょうか?、境海上保安部に聞いて見ました。「石造りで東洋一の高さといわれている。」が正しいそうです。それは東洋の範囲が明確でなく、各国の灯台の正確な情報を得ていないからだそうで、いわれているという表現になるそうです。一般には「石造りで日本一の高さ」を使った方が間違いなさそうです。 ・高さ世界一:横浜マリンタワー(鉄塔灯台、高さ106m。灯台下が展望台) ・石造りで高さ世界一:分かりませんでした。スペインのラコルーニャにヘルクルス(ヘラクレス)塔灯台と呼ばれる、ローマ時代に建てられた上部以外四角形の灯台があり、石造りではかなり高い塔灯台と思います。またアメリカにもかなり大きい石造りの灯台があるそうです。 ・石造りで高さ日本一:出雲日御碕灯台(地上から灯台天辺まで43.65m) 注:出雲日御碕灯台は灯塔の高さ日本一と記載されたホームページもあります。マリンタワーも光を放つ鉄塔の灯台なのですが、灯塔として見てもらえてないのでしょうか。確かにマリンタワーの大部分は違う目的の展望台の観光施設に、灯台が上に載っている感じもしますが、タワーは塔ですし、タワーがなければ灯台にならない共存関係にあります。現在横浜マリンタワーに電話したり、灯塔の定義を調べていますが辞書になく分かっていません。一般的辞書にないということは、多くの人に誤った形で伝わる気がしましたので、本ホームページでは出雲日御碕灯台は石造りで日本一としました。現在までに分かっている灯塔は中国の辞書に灯塔があり、灯台のこととありました。 ■灯台の光り方:20秒間に白2閃光(せんこう)と赤1閃光の複合群閃白赤互光 ・前文を構造状から分かり易く説明すると次の様になります。灯台は船舶に明確にどの灯台か識別してもらうために光の配色や光る時間間隔が違います。灯台の灯火は光源(電球)が回っているのではなくレンズが回っています。日御碕灯台のレンズは白色発光用に小さな凸レンズが2個、赤色発光用に大きな凸レンズ1個、光源の周りに並んでいて一つの構造物となっています。その構造物が20秒に1回転するようにモータで制御されて、1回転すると白い閃光(せんこう)が2回、赤い閃光が1回観測できます。白い閃光と白い閃光の間は4秒、白い閃光と赤い閃光または赤い閃光と白い閃光の間は8秒あり、合計20秒になります。閃光(せんこう)とは見ている人がレンズと光源が重なった時、集光された強い光を感じることからいうそうです。赤い光はレンズ自体が赤いのではなく、光源とレンズの間に赤いフィルタ板を設けて、赤い光を作っているそうです。また赤い光を出す側のレンズが大きいのは、赤いフィルタによって作られる光の減衰する率が大きいため、赤い方が大きいのだそうです。 ■メタルハライド電球 ・ドイツのオスラム社が開発した電球で、元々メタルハライドは商品名だった様です。インターネットで調べると高輝度放電灯(H.IDランプ)として数多く載っていました。現在スポットライト,レセプション照明,産業用照明,車のライトなどさまざまな分野に普及しているようです。水銀灯やナトリウムランプは消費電力や寿命は良いですが、演色性が悪く何色を見ても青白かったり、オレンジ色でした。その欠点を補うために放電時に気化する発光金属化合物を一緒に封入したものがH.IDランプのようです。 ・構造は石英ガラス管に1対の電極を設け、管の内部を一旦真空にしてからアルゴン又はキセノンガスで満たし、水銀,発光金属化合物(ナトリウム,タリウム,インジウム,スカンジウム)を封入した発光管と呼ばれる管を真ん中に、さらにアルゴンガスで満たした外管で覆った構造をし、電極を外部に導く口金で構成されています。 ・メタルハライド電球の欠点は放電灯ですから始動時に時間がかかります。また蛍光灯やナトリウムランプのように高電圧パルスを出す始動器と安定器が必要です。最近ではグロースタータやバイメタルなどの始動器を内部に組み込んだタイプもあるそうです。 ・発光原理は始動器によって発生された高電圧パルスにより、発光管で放電が起き放電によって生じた熱によって発光金属化合物が気化し、発生した紫外線が気化した金属に当たって固有の色を発します。複数の色の発光色の組み合わせにより、白色発光を実現しています。また紫外線が外に出ないように外管の内側に紫外線が反射する物質が塗られているそうです。 ■光度(こうど):光源の明るさを表す言葉で、単位はカンデラといい小文字で cd と書きます。 カンデラは人が強く感じる光を基準にしたもので、黄緑色(550[nm])の波長の光が基準になっています。定義では周波数540×1012Hzの光が、所定の方向に放射された時、単位立体角(1ステラジアン[sr])に1/683[W]の電力を受ける放射強度を1[cd]としています。 光速Vc≒3×108[m/s] 周波数f=540×1012[振動数/s] 1周期T=1/f[s] 波長λ=Vc×T≒555×10−9[m]= 555[nm] ■単位立体角(1ステラジアン[sr]):球の半径の2乗の面積と等しい球表面の円面積になる、球中心からの角度のこと。 (平面の角度の単位 度,°,deg,ラジアン,rad,grd 180度≒3.14ラジアン, 180[deg]=π[rad]) ■世界測地系 ・1996年米国がGPSの民生利用を認めたことから、人口衛星の観測で作られた世界測地系に移行する気運が高まったそうでうす。日本も2000年に文部省が移行すべきと提言したことから、この年以降新しい地図などは世界測地系に変わっていったそうです。 ・日本測地系:明治頃天体観測により日本の緯度と経度の原点を決め、測量された距離などから各地の緯度,経度が決められたそうです。別にに日本の測地系が劣っていた分けでなく、人口衛星での観測が進むまでは世界各国が各々独自に国の原点を決めていたそうです。 ・日本測地系と世界測地系のずれ:島根県は経度−12秒,緯度+12秒ずれているとされ、世界測地系を基準にすると日本測地系の島根県は北西方向に420mずれています。 ・日御碕灯台の位置:北緯35度26分02秒,東経132度37分45秒(世界測地系 新しいパンフレット) 北緯35度25分50秒,東経132度37分54秒(日本測地系 古いパンフレット) 差:緯度+12秒 経度−9秒 経度が3秒変です。古いパンフレットは緯度が赤く訂正されていましたが、経度も間違っていた可能性があるかもしれません。 下記の詳細は境海上保安部のホームページでご確認下さい。 ■建設当時から大正頃まで、光源は石油を燃やしていた。初代:石油吸芯燃焼>二代目:石油ガス化燃焼>三代目:窒素白熱電球>四代目:アルゴン白熱電球(100V,1000W)>今現在:メタルハライド電球(100V,250W) ■昭和35年までレンズは昔の時計のように重い分銅で動かしていた。ワイヤに500Kgの重りを付け、巻き取り器で38m巻き取って、分銅の重みで動かしていた。1回の巻き取りで8時間分回すことができ、1日に1回〜2回巻取り作業を行っていた。 ■過去合理化と経済性観点からコンクリートの灯台に建て替える計画があった。 |
◆注意していること 1.個人の住宅が風景に写った場合、写真全体の0.7%以下としています。(スーパー,店,旅館,民宿,公共施設などは除く) 2.写真が規制されている名所の場合は、撮影及び掲載可能か確認をして掲載しています。 ◆撮影:又は撮影F:FUJIFILM FinePix−F410, 撮影C:OLYMPUS C−750UZoom, 撮影D:KONIKA MINOLTA DiMAGE−Z3 |
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