日御碕神社 (島根県東部の風景) | Fukutomi design office |
日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)は島根県東部の半島西端にあり、壁や木の切り口が白色、柱や横木が丹塗(にぬ)りされた美しい神社です。そばに日本海があり、海の青と松の緑をバックに、鮮やかさを際立たせています。 神社は下の宮(日沈宮)と上の宮(神の宮)からなり、両本社を総称して日御碕神社と呼び、通称「みさきさん」と呼ばれています。それぞれの本殿には、神話に登場する天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)が主祭神として祀られています。 |
住所:〒699-0763 島根県出雲市大社町 日御碕455 ※2013訂正 主祭神: 日沈宮(ひしずのみや) 天照大御神(あまてらすおおみかみ) 神の宮(かむのみや) 神素戔嗚尊(かむすさのおのみこと) 御神徳:開運除厄・邪気退散・交通安全・海上安全・縁結びなど 札所:出雲國神仏霊場20番 国宝:源頼朝寄進と伝えられる白糸威鎧兜大袖付 国指定の重要文化財: 両宮の権現造りの本殿・拝殿を含む社殿十四棟 藍葦威腹巻(あいかわおどしはらまき) |
#F075−1 楼門 | #F075−2 下の宮(日沈宮) |
#F075−5 下の宮(日沈宮) | #F075−3 下の宮(日沈宮) 拝殿 |
#F075−6 上の宮(神の宮) | #F075−7 上の宮(神の宮) 拝殿 |
#F075−8 | #F075−9 |
■歴史 日御碕神社は下の宮(日沈宮)と上の宮(神の宮)からなり、両本社を総称して日御碕神社と呼びます。古い呼び名では、「出雲国風土記」に美佐伎(みさき)社と記載されています。 社伝によりますと下の宮には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が祀られ、天暦2年(948)にすぐ前の日御碕海岸にある経島(ふみしま)から移したと伝えられています。また上の宮には素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られ、安寧天皇(あんねいてんのう)の時代に後方の隠ヶ丘(かぐれがおか)から移したと伝えられています。 現在の社殿は、徳川家光公の命により再建されたものだそうです。 寛永11年(1634)に松江藩主京極忠高(きょうごくただたか)が着手し寛永14年(1637)に着工、松平直正の代寛永21年(1644)に完成しました。 現在、最近の台風などの風雨に傷んだ部分が修繕され、丹塗り(にぬり)されて鮮やかな色彩を放っています。 |
■文化財 下の宮と上の宮とも平入りの本殿と拝殿が続いた初期の権現造り(ごんげんづくり)になっています。本殿の天井と四壁には狩野・土佐派の壁画が描かれていて、両本殿と拝殿,楼門,回廊,東西門,客神社など14棟が国指定の重要文化財に指定されています。 また名和長年から寄進された藍葦威腹巻(あいかわおどしはらまき)が重要文化財になっています。 国宝として、源頼朝から寄進されたと伝えられる、白糸威鎧兜大袖付を所有されています。一説に塩冶高貞から寄進とも伝えられています。 ■権現造り/権現造(ごんげんづくり): 本殿と拝殿の間を敷石のどの石の間で繋(つな)いだもので、平安時代に始まった建て方です。(日光東照宮もこの造り。) ■丹塗り(にぬり): 硫黄(いおう)と水銀が化合した黄色味のある赤土で塗ること。または朱色で塗ること。 注:人文社 ふるさとの文化遺産 郷土資料辞典32島根県 参考 |
■和布刈神事(めかりしんじ) 毎年旧暦の1月5日に、日御碕神社の神職が、大漁旗を立てた魚船で宇竜港(うりゅうこう)から出発し、権現島(ごんげんじま)にある末社熊野権現に和布(わかめ)を供えて、和布の豊作と、魚の豊漁を祈願する神事です。この神事の後に和布漁(わかめりょう)が始まります。 |
■和布刈神事のイベントとして、地元の青年団の方々が、フンドシ姿で権現島から宇竜港へ寒中水泳するそうです。 |
■神話 天照大御神(アマテラスオオミカミ)の岩戸隠れ 弟(スサノオノミコト)の悪行に怒りアマテラスオオミカミは天の岩屋に閉じこもってしまいました。このことにより地上は真っ暗になり、悪神(あくじん)がはびこり悪事が増えることとなりました。困った八百万(やおよろず)の神々は、協議をして天の岩屋の前で宴会を開き、アマテラスオオミカミが気になって岩戸を開けた時、すかさずこじ開ける策を考えました。宴会の席では盛り上げるためにアマノウズメノミコトによる御神楽が舞われ、神々の楽しそうな笑い声が響きました。アマテラスオオミカミはたまらず、岩戸を少し開けて外の様子を見ようとしました。計画道理に岩戸が開き、アマノタヂカラオノミコトがこじ開け、神々が説得して外に出てもらえることになりました。そして地上は、再び光を取り戻したという神話です。 |
●天照大御神(あまてらすおおみかみ): 高天原(たかまのはら)の主神。太陽神。伊装諾尊(いざなぎのみこと)の娘。素戔嗚尊(すさのおのみこと)が弟という他に、夫という説もあるそうです。確かに弟が悪行を重ねたところで、姉が閉じこもるのも少し変に思います。 ●素戔嗚尊(すさのおのみこと)=須佐之男命(すさのおのみこと): 力のある乱暴な神で、悪行を重ねたことにより天照大御神の怒りにふれ、高天原を追放の身になりました。 |
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